ノブレストリガーオブリージュ - 14/14

 防衛任務中、迅に気付いた太刀川はそのまま近付いて声を掛けてきた。
「よう迅」
「久しぶり。太刀川さん」
 遠征から帰って間もなく、割と大きい門の発生があり、迅も太刀川も現場に投入されていた。
 単独で戦力の大きい迅と太刀川が同じ地区に配置されることはない。配置先が指示され次第移動になる。
 迅は、今この時太刀川とゆっくり話す時間が無い事を残念に思った。もうこんな風に挨拶を交わすぐらいしか、ボーダーで迅が太刀川と出来ることは無くなってしまったのだから。
 しかし太刀川は挨拶するなり言った。
「勝負しようぜ」
「え」
「討伐数勝負。勝った方はコロッケおごる」
 迅はぽかんとして、それからじわじわとニヤついた。
 何だか無性にくすぐったいような感情が湧いて、抑えきれなかった。
「お、何だその笑顔は。お前が勝つ未来でも見えたのか? 予知通りとは限んないぞ」
「いや、勝敗は分かんないな……まだ、一緒にコロッケ食ってる未来しか見えてないから」
 太刀川は笑った。
「よし、それ以上見るなよ。勝負はこれからなんだから」
「まあね。太刀川さん、強いからな」

<終>