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「高品先生みてぇな都会育ちじゃ、こんな何もない村で過ごしてっと段々都会の賑やかさが恋しくなってくんじゃねえのかい?」
「いや~そうでもないんスよねこれが。すっかりここの静けさに馴染んじゃって」
 ガハハそうかそうか、と上機嫌に頷く村の人と笑い合う。

 お世辞じゃない。本当のことだった。村に来て気付いたのだ。別に、あの街にだって何もなかった。恋しく思うようなものは何も。