この動画の「楽しみ方が分からないもの」という議題の中に「怖い話」が挙げられていて、楽しめる側の意見として想定されるものののひとつとして「安全な場所で他人事と思って楽しめるから」という理由が挙げられていましたが、私は「自分がそういう目に遭っている」と思った上で怖い話を楽しんでいるなあ…と我が身を振り返って思いました。
安全な場所で安全にスリルを楽しむ~とかは結果論に過ぎないと思うんですよ。物語を見ている間の脳内物質の出方は実際にその状況に相対した時と相似しているっていうデータもあるらしいですし。
だから私はですね、
・あと一週間で死ぬって言われたり、
・井戸に落ちた後這い上がろうとしたら下から追ってこられたり、
・住み始めた家がヤバかったり、
・突然目の前の人間がアクロバティックに死んだり、
・死んだはずの人間が何事も無かったかのように部屋の中にいたり、
・自分の足を切り落とす羽目になったり、
・うっかり家族をエグい死なせ方した後現実逃避で布団に潜り込んだり、
・一緒に村や館を訪れた仲間が次々に怪死していったり、
・閉じ込められた建物の中で化け物に追い掛け回されたり、
そういう怪奇現象の数々を「勘弁してくれよお…!」と絶望しながら見るのがイイんだと思うんです。
重なっていく死や破壊を前に、遠からず回ってくる自分の破滅を予期しながら「マジかよぉ…!」と怯えるその時間が…。
こういうこと言うと「なんでわざわざそんな嫌な思いするもの見るの?」とか言われるわけです!
これは鬱作品なんかでもそう!「現実が十分つらいのにお話の中でまでそんな話見たくない」とか!
しかしですよ、現実のその「嫌さ」は果たして足りていると言えるんでしょうか?
あなたは呪われて死期が決定付けられてしまったことがありますか? 出られない場所で〝死〟に追い掛け回されたことは? 家に帰るといつも襖が少しだけ開いていたことは? 人を死なせてしまったことは? 死なせてしまったはずのその人物が次の日何事も無かったかのようにそこにいたことは? 人生のガチの終わりを見た事は…!?
無いでしょ!? そしてそれはこれからあることかもしれないじゃないですか! 殺人鬼に追い掛け回されるかもしれないし災害に遭うかもしれないし呪われるかもしれない! 貞子本人じゃなくても貞子のような何かにエンカウントしないと100パー言い切れますか!? 現実に見えなくても脳が見る可能性だってあります!
だからこれはサウナみたいなもんなんですよ。いつか来るかもしれない本番の前に慣らしておかないと…! 死に…! 破滅に…! 恐怖に…! 絶望に…!
そして見終わった後帰ってきた現実を見回して「あの状況に比べれば天国だな」とポジティブな気持ちを獲得するわけです。辛いもの食べた後だからお水がおいしく感じるねって寸法よ。
いやでもこう書いてしまうとやっぱ安全な場所で他人事として楽しんでるって形容も出来るんですが、ただ見てる間は違うから。
だからバカな若者が調子乗って心霊スポットとか乗り込んで怖い目に遭う話とかも、あんまり主人公たちがバカすぎて一切同情出来ないとなると面白くないんですよね。
「かわいそうだぁ…」と思いながら見るからダメージを受けるし傷つくんであって。
戦争モノとかもそうですよね。感情移入して「どうして主人公はこんな目に」「誰か助けてやってくれぇ…」と思いながら見れてこそ反戦映画足り得るのではないでしょうか。
野火とかすごかったもんね。地獄すぎて「帰らせてくれぇ~!」と思うけど、来なきゃ来ないで国に居場所なんて無いんだろうなと思うし。(津山三十人殺しの犯人は身体上の問題から兵役に落ちたことで差別され村八分に遭いあの犯行に及んだそうな。特にあの当時の風習だった夜這いに誰も応じてくれなくなったことが決定打だったとかなんとか)
どうあがいても地獄という感じで、よく出来た戦争映画は皆そうですが、本当に戦争なんかするもんじゃないなとつくづく思いました。
そう感じられるのもその物語で描かれた世界が本当に悲惨で怖くて辛いからなわけです!
そしてその世界は我々生きとし生けるものの前にいつ現れるか知れない隣人なわけです!
だから他人事としてよりむしろ隣の家が呪怨の家で来月その家に家庭訪問する用事があるぐらいの距離感で入り込んで見てこそ怖い話というのは楽しいんじゃないかと、そういう話でした。
そんなわけで私は洒落怖とか禍話とかの怪談話も大好きです。
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【苦手な人注意】おすすめ怖い話 | Swampman Generating Park Gate
ところでサイトのデザインを色々弄って変えたんですよ。
おかげでだいぶ見やすくなったなと! 私はやっぱりパッと目に入らないと存在を忘れる傾向にあるのでシンプルかつ情報量が多い方がいいみたいです。
最近放置気味でしたが日記も雑記に名称変更しました。もっと頻度や長さにこだわらず一個一個の記事の内容をペラペラに薄くしていきたいと思います。

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